2008年12月16日火曜日

図書館

 実験試料を急きょ合成することになった。SciFinderで売っているところを見つけたのだが、納期1か月(これから合成する)であることが判明した。といっても、出発物質さえ買えばALと同じ反応経路で合成できるはずである。ちなみに、有機化学備品室にない試薬や実験器具の購入は、学部単位で1元管理されている。我々は、専用ホームページにログインし、メーカーと商品名、グラント番号、カタログ価格、希望納期を入力するだけでよい。僕が行った日本の大学院では、学生・スタッフそれぞれが代理店へ直接注文し、品物と一緒に受け取った伝票(納品書、請求書、領収書)を秘書さんやグラントを管理しているスタッフに渡すというシステムだった。

 ALから次にやるべき実験について相談を受ける。午後も一緒にNMRを取りに行ったり、NMRの結果をもとに反応条件ついて話し合ったりして、丸一日付き合う。普通の定常IR吸収スペクトルを取ることになったので、装置や試料準備を教えて貰い、僕の実験試料も一緒に測ってもらう。ALの試料液体なのだが、どうしても弱いピークを検出する必要があったので、他研究室からスペーサーを調達する。

 6時から図書館ワークショップへ参加する。僕が借りたアパートは、正確には大学院生とスタッフのゲストハウスで、遠足やパーティーを頻繁に主宰している。参加人数が少ないのでキャンセルするかも知れないという事前連絡があったが、はたして参加者は僕一人であった。司書のオネーさんをはさんで、アパートスタッフで大学院生のオネーさんと僕が座り、彼女の出前講義を聞いた。この大学は、全米で2番目に大きな大学図書館を持っているそうだ。但し、1個の巨大な図書館があるのではなく、日本の大学でもそうだが、学部や学科ごとの図書館や遠隔地の書庫に分散している。その代わり、オンラインサービスが充実していて、全ての蔵書を一括検索できるだけでなく、研究室まで無料で配達して貰うことができる。

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