2008年11月13日木曜日

手術1回で肩鎖関節完全脱臼を治す方法

 10月の初め、自転車で転倒し、肩鎖関節を完全脱臼した。「肩鎖関節」は肩甲骨と鎖骨が3本の腱でつなぎあわされた部分で、肩や肘関節のように骨同士が擦りあわされているわけではない。その完全脱臼とは、3本の腱が切れた状態を表す。

 肩鎖関節が完全脱臼しても治療しない場合が多いそうだ。肩の運動には激しいスポーツをしない限り支障がはないし、力士や柔道家の中にも治療しない人がいるという。しかし鎖骨が1-2 cm上に突き出た状態になり、外見上のハンディキャップを負うことになる。しかも、肩甲骨は鎖骨を介してしか背骨(胸骨)とつながっていないため、体から筋肉を取り除くと腕が取れてしまう状態になるという。年をとって筋肉が衰えると後遺症が出そうだ。そこで僕は、治療を受けることにした。

 僕が救急車で運ばれた某大学付属病院とセカンドオピニオンを求めに行った某大学付属病院では、治療に2‐3か月かかると言われた。2回手術が必要で、まず鎖骨と肩甲骨の間を金属板で留め、切れた靭帯を縫い合わせる。6週間後、靭帯が修復された後に、再び手術を行ってプレートを取り除く。しかし僕は、仕事の都合上、1か月以内に軽作業が出来る状態になっていなければならない。これでは、間に合わない。そこで、1回の手術で済む治療法を探した。

 インターネットで調べてみると、肩鎖関節の治療法には様々あり、どれが最善の治療法なのか、統一見解がないという。問題は、靭帯が十分な強度に回復するまでの間、鎖骨を肩鎖関節へ固定する方法のようだ。放っておくと鎖骨が1-2cm上へ飛び出るほど強く、靭帯は引っ張られる。回復が十分でないと、靭帯は再び千切れたり、伸びたりする(亜脱臼)。しかし、固定に金属プレートやワイヤ(Phemister変法)を使うと靭帯の回復後再手術が必要となる。1回の手術で済む方法としては、腱(長掌筋腱)や人工靭帯で補強する方法があるそうだ。

 地元の整形外科専門クリニックに紹介していただいた病院で、望み通りの手術を受けることができた。人工靭帯を2本移植し、同時に切れた3本のうち2本の靭帯(烏口鎖骨靱帯)を縫い合わせる。手術後1週間は肩を完全固定、3週間は腕の運動範囲は90°以下に制限され、靭帯回復には3-4か月を要するが、3週間で日常の生活(と化学実験)に支障のない程度の腕の運動ができるようになり、再手術はない。人工靭帯は骨に貫通させるため、骨がくびれてくることはなく、穴の大きさは術後10年間の経過観察でほとんど変わりがないという。ただし今後は、チタンボタンが体に埋め込まれていることの証明書を携帯しないと、飛行機に乗れなくなるかもしれないし、MRI検査を受けられなくなるかもしれない。

 ちなみに手術時期は早ければ早いほど良く、脱臼後1カ月以上経つと、切れた靭帯をつなぎ合わせることができなくなるそうだ。実は僕も、5年以上前にウエイトトレーニングで同じ場所を故障したので、2本の内1本が修復不可能になっている可能性があった。その場合は、2本人工靭帯を移植する代わりに、人工靭帯1本(と1本修復)と腱の移植を行う計画であった。また内視鏡のようなものを使って手術を行うことで、術後の回復を早める関節鏡手術という技術があるようだが、肩鎖関節脱臼の治療例は僕の調べた限り未だ十分な数がないようだ。

2008年11月4日火曜日

話題の保湿成分

 最近、化粧品で話題の、保湿成分「水溶性プロテオ・グルカン」とはどのような物質だろうか?また、「ヒアルロン酸」よりも保湿能力が高いと言われているそうだが本当だろうか?以下は、あるエステシャンへの回答である。


 ネットで調べた限り、ここでいう「水溶性プロテオ・グルカン」は、ヒアルロン酸とタンパク質が結合した物質だと思います。ヒアルロン酸は、澱粉に似た構造の物質なので、水に溶かすと糊のようになります。このヒアルロン酸にタンパク質を結合させると、ヒアルロン酸由来の部分で水含みつつ、タンパク質の部分が強い骨格構造を作るので、「丈夫なプリン」(笑)のような物質を作ることがが出来ると思われます。おそらく、糊状の物質よりもプリンのような物質の方が保湿力が高いのではないでしょうか?この「丈夫なプリン」は、肌のコラーゲンの間に詰まっていて、保湿などの役割を果たしているそうです。 化粧品に入っている「水溶性プロテオ・グルカン」が、肌に含まれる「水溶性プロテオ・グルカン」と同じように、ちゃんと「丈夫なプリン」のような状態になっているのか、また「丈夫なプリン」を肌の上から塗った場合にどの程度保湿効果が得られるのかは、僕には分かりません。