2009年1月15日木曜日

 7時に目が覚める。昨日、実験で遅くなり、なおかつPCが自動更新・再起動されてしまってアラームが鳴らなかったのが敗因だ。

 このところ、樹脂表面に厚さ数ミクロンの金属膜を形成しようとしている。ボスから、スパッタ法とメッキを当たって見るように言われ、それぞれの技術の専門家を紹介された。スパッタ法でこれだけの厚さの膜を作ると樹脂が焼けてしまうことが分かった。メッキは、あらかじめもっと薄い金属膜を樹脂表面に形成し、その上に電解メッキする方法を専門家から提案して頂いた。そこでまず、手持ちの真空蒸着装置を用いて、樹脂表面に厚さ数百ナノメートルの金属膜を形成し、その上に(諸事情により)無電解メッキを試みた。この実験自体はあまりうまくいかなった。しかし、金属の種類や厚さを変えて真空蒸着を繰り返すうちに、がんばれば真空蒸着だけで厚さ数ミクロンの金属薄膜が形成可能に思われたので、昨日やってみて成功した。但し、高温で長時間運転したために、真空容器の気密シールを損傷してしまった。

 午前中は、明日から始まるプロジェクトの打ち合わせと、現在担当しているプロジェクトのメンバーとの役割分担変更の相談。

 昼休み、車を受け取りに行った。イーベイで落札したシャンペーン市のパトカーだ。フォード・クラウンビクトリアの警察仕様で、アメリカのパトカーの過半数を占める車種だそうだ。パトカーとしての役目を終えると、タクシーとしてリサイクルされるシステムが確立しているらしい。同僚に話したところ、日本車を勧められた。燃費が良くて、故障が少ないからだという。確かに、燃費はトヨタセリカの1.5倍くらいだそうだ。しかし、消費者ガイドによると該当製造年のフォード・クラウンビクトリア(但し、警察しようではない)は比較的故障が少ないこと、ガソリン価格が日本の1/3位であること、衝突試験結果が優秀であること、古き良きアメ車であること、半年ごとに点検修理されてきたこと、途方もなく安いこと、走行距離が9万マイルであることから購入に踏み切った。日本で、走行距離15万キロと言うと廃車にするしかないのかもしれないが、ここではまだまだ現役である。

 バスを乗り継いで市役所に行って、小切手を渡すと、サーティファイド・チェックでなくてはだめだと言われた。金曜日に再度予約を取って帰りかけたが、帰り道に銀行を見つけたので、サーティファイド・チェックを作り、無事支払うことが出来た。帰り道を教えて貰ってから、車を受け取る。学生2人から車をイーベイで買うのはやめろ、試乗してから買えと言われていたが、この車に限ってはお役所が売っているのであえて落札した。元パトカーと言っても、サイレンやパイプバンパー、無線などは外されていて、塗装も白に戻してある。ホイールが一つ錆びている以外は、外見上の欠陥は見当たらなかった。内装はきれいだ。エンジンはスムーズにかかる。バッテリーとエンジンオイルの残量が少ない。

 生まれて初めての運転だが、辺りは雪が積もっている。まとまった雪が降ったのは、ここに来てからまだ2回目だが、凍結路面は1週間に1回位の頻度で経験している。しかし、タイヤチェーンを付けている車を未だかつて見かけたことがない。タクシーの運転手からオート店スタッフ、ボスに至るまで口をそろえて違法だという。ところが、州法ではタイヤチェーンの規制はないようだ(スタッドレスタイヤは禁止。)。駐車場から出る。教習で習った通りに、車体の半分くらい後進してからハンドルを切ると、後輪が空回りしてしまう。幸い後ろの車まで距離があったので、まっすぐ後退して駐車スペースから出てからおもむろにハンドルを切る。教えてもらった通り、住宅地を通り抜ける。2車線、一方通行が十字路の先で突然両方通行になっていて焦る。曲がるべき道を通り越してしまったので、キャンパス内を迂回する。坂道でスリップし冷や汗をかく。15分後、アパートの駐車場に到着。雪が積もっていて区画線が見えない。

 午後は、メールを書いたり、金属薄膜を研磨したり。真空蒸留装置の真空漏れに気づいた。午後8時ごろ帰宅。

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