2009年4月7日火曜日

授業

 授業に35分遅刻する。僕が聴講している唯一の授業である。大学院生向けのグラント申請の書き方を教える50分週2回の講義(正規の受講者は他にチュートリアルもあるようだ)で、ポスドクや助教、外部の研究者も出席している。学術研究の方法や倫理を扱うのではなく、現実の世界で政府系機関から資金を調達するにはどうすればよいかを赤裸々に語ってくれる。たとえば、某機関では審査員は数十名いるがその内2人しか申請書を最後まで読まない。残りの審査員は1ページの要約だけを読んで投票数するので、そこに入魂しろだとか。某機関へ申請する研究テーマは、企業向け補助金の募集テーマ一覧中から選べだとか。審査員リストに載っている研究者とその友人の論文を参考文献に入れろだとか。裏事情が公開(形式知化)されているのだ。日本では、こうした裏事情は師匠から弟子にじわじわと伝わっていく(暗黙知化されている)場合が多いのではないか?そういう意味で、僕にとっては目から鱗である。

 この授業以外にも(この授業で知ったことだが)グラントデータベースを開発して(学内向けに公開して)いたり、グラント専門の事務員がいて申請書の添削をしてくれたりと、大学全体が研究資金獲得のために万全の態勢を整えていることが分かった。この授業を聴講出来ただけでも、アメリカに来たかいがあったと思っている。(今日は15分しか聞けなかったが。)僕は読んでいないが次の本が教科書となっている。

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