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2011年4月18日月曜日

内部被曝を考慮した避難 -地域と時間

 東日本巨大地震から1ヶ月間の累積放射線量を計算し、内部被曝を考慮した「避難勧告地域」を決めた。内部被曝は、体内の放射能汚染だ。本来、体内に入った放射性原子の数と種類で計るものだが、線量換算係数を使って、同等の健康被害をもたらす実効線量に換算することができる。内部被曝実効線量と外部被曝線量の和(全実効線量)を、放射線リスクの判断基準にするべきだ。僕は前回、両者の間に比例関係を仮定し、外部被曝線量から内部被曝実効線量を見積もった。今回は、東日本の全都道県の全実効線量を計算し、さまざまな実行線量限度と比較した。この国にいると、「社会にコミットしなくては」という感覚になってくる(歳のせいかもしれないが。)先ず隗より始めよと(?)、募金活動や翻訳をしている方々がいる。僕は、この計算で代わりとしたい。

 累積空間人工放射線量は、NHKの「各地の放射線量」のグラフ全て(414日付)GraphReadで読み取った(1)。これを積分し、累積自然放射線量を除き、1ヶ月間に換算し、都道県ごとに平均した(2)。内部被曝実効線量と外部被曝線量の比は、自然放射線/能では7:3。福島第1原発事故由来の人工放射能では、シミュレーション(CAP88-PC, 自給自足)によると、9:1。僕の家族向けには、日本の食料自給率(4)を考慮して、8:2と前回書いた(以下、それぞれ3割・1割・2割モデルと呼ぶ)


 全実効線量の危険度を、放射線作業従事者の実効線量限度にもとづいて(後述)、表1のように078段階で定義した。


3通りの避難勧告地域

各都道県の平均累積人工空間放射線量に危険度を適用した(3)1, 2, 3割いずれのモデルでも、危険度が5以上の都道県はなかった。3割モデルでは、福島、茨木、栃木がそれぞれ危険度3, 2, 12割モデルでは、福島、茨木、栃木がそれぞれ危険度4, 3, 21割モデルでは、福島と茨木が危険度4。栃木が危険度2。宮城、山形、新潟、群馬、埼玉、東京、神奈川が危険度1となった。もちろん、同一都道県内でも危険度が異なる場合もある。特に福島県は1割モデルで、福島市が危険度5。いわき市、郡山市、白河市、南相馬市が危険度4。会津若松市が危険度3。南会津町が危険度1だった。


内部被曝の時間スケール

内部被曝には、タイムラグがある。CAP88-PCによると、内部被曝の大部分は、摂取経由だった。食料(や水)は食物連鎖を伝わって汚染されていくので、時間がかかるはずだ。この時間スケールを前回「長期」と名付けた。後述のように、CAP88-PCのモデルでは、「長期」≒4ヶ月間であった。今のうちに避難すれば、内部被曝の大部分を免れる。大変雑把に言って、現在の摂取経由内部被曝実効線量は、1割モデルでも外部被曝線量と同等くらいだろう(後述の136CsCAP88-PC計算から。)。たとえば、データのなかで最も汚染の深刻な福島市では、414日現在の累積空間人工放射線量が4.3mSvだった。1割モデルを採用すると、4ヶ月間より十分長い時間(1年間とか)に、40mSvくらいの内部被曝をする。しかし、事故後1ヶ月現在は、いまだ(内部被曝実効線量は)10mSvくらいであろう。また、妊娠可能な女性の限度は、3ヶ月間単位であった。摂取経由の内部被曝は49ヶ月目にピークになると考えて、基準を3倍緩めても良いかもしれない。

まとめると、現在の東日本で放射能汚染が危険な地域を、内部被曝込みで調べた。僕は、2割モデルを採用しているので、親は、避難してもらう必要はなさそうだ。もし自分の嫁が(存在し、妊娠可能なほど若く、かつ)福島県に住んでいるとしたら、避難を勧める。それどころか、東北地方は食料自給率が高いので、1割モデルに転向して、茨木でも避難を勧めるかもしれない。福島市では、現在も多くの方々が、日常生活を営まれているという。外部被曝線量のみを扱った報道が多いためだろう。僕は新型インフルエンザを思い出す。日本のメディアは、パンデミックの可能性を狂騒的に報じていたが、国内で感染者が出た途端に下火になったと記憶している。日本人は、小さなリスクは過大評価するが、大きなリスクは過小評価するようだ。リスクに敏感過ぎて、閾値を超えると感覚が麻痺してしまうのかもしれない。パニックになるよりましだが、科学的に判断すると更に良い。

後知恵だが、空間放射線量の推移(1)から、様子をみる期間は1ヶ月間ではなく、2週間にするべきだった。摂取経由の内部被曝が本格化するまえに間に合ったが(i.e.1ヶ月間<<「長期」)。農・水産物や水道水の放射能検査は、モデルでは考慮していない。政府や農協、漁協の取り組みで、摂取経由の内部被曝がどの程度軽減されるのか、知りたい。「危険度」では、放射線作業従事者の基準なので当然だが、子供が考慮されていない。残念ながら、(ICRP)線量換算係数自体が、子供と成人では異なるそうなので、言及できない。僕の知る限り、放射線の害はDNAを損傷することだ。DNAが損傷すると、細胞の複製が不完全になる。一般に、細胞分裂が盛んな(/になる可能性がある)個体ほど、放射線の影響が大きいはずだ。妊婦が放射線に弱いのは、胎児が発達中だからだし、妊娠可能な女性がその他の成人に比べて弱いのは、卵子が再生しないからだろう。したがって、子供は(同じ条件の)成人よりも放射線に弱いはずだ。


[補足1]長期・短期の見積もり

 CAP88-PCが採用している物理モデルの「長期」を、見積もった。モデル式をから解析的に求まるはずだが、計算に自信がないので、寿命が異なる同位体を放出核種とするシミュレーション結果の実効線量内訳を比較することで見積った。前回書かなかったが、当時検出されていた核種の内、セシウム(137Cs)が大部分を占めた。137Cs(半減期30年でβ-崩壊)と寿命の異なる同位体(134Cs(2.1)136Cs(13)、ともにβ-崩壊)に置き換えて(崩壊系列は考慮しなかった。バク(?)で考慮されてしまうこともあったが、Csによる実効線量が支配的であることを確認した。)CAP88-PC(自給自足)をまわしたところ、136Csでは内部被曝実効線量と外部被曝線量の比が1:1くらい、134Csでは10:1くらいになった。このことから、2週間<「長期」<2年間。「長期」は元素によらないと仮定して、放出核種をアンチモン(Sb)の放射性同位体の内、半減期2週間(126Sb, 12)週間、2ヶ月間(124Sb, 60)、及び3年間(125Sb, 2.8)β-崩壊するもののみにしてCAP88-PCをまわし、内部被曝実効線量の全実効線量に対する割合を半減期の関数として、指数関数でフィットしたところ(ベースライン込みで3変数なので、解いている。)、時定数が約4ヶ月間となった。これは、Csの結果と整合的だ。Sb以外に、丁度良い半減期でβ-崩壊する同位体が揃った典型元素は見つからなかったので、「長期」≒4ヶ月間と思うことにする。別の言い方をすると、半減期が4ヶ月間よりも短い核種は摂取経由の内部被曝にあまり寄与しない。

本文に関係ないが、前回、土壌汚染が拡がる時間スケールを「短期」と名付けた。これも同様にして見積もることができる。これも前回書かなかったが、輸入モードでCAP88-PCすると、当時検出されていた核種の内、ヨウ素(131I, 8.0)、バリウム(137mBa)、テルル(129mTe, 129Te)による実効線量が大部分を占めた。そこで、ヨウ素のβ-崩壊する同位体(120mI (53分間)130I(12時間)133I(21時間)134I(53分間)135I(6.6時間))のみを放出核種としてCAP88-PC (80km)をまわしたところ、大地放射線量が空気由来の放射線量を大きく上回る時間スケールは、10時間くらいであった。これは、空間放射線量の実測値()と整合的だ。i.e.「短期」≒10時間。風速(の逆数×距離)の時間スケールとほぼ等しい。流れの中での拡散過程(分散)が律速段階なのだろう。

[補足2] 8段階の危険度

各地の空間放射線量(1)は、おおむね指数関数的に減衰した。逆に言うと、2号機で水素爆発があった315日からの1週間で、累積線量の大部分を被曝した。東京電力の工程表によると、2号機の格納容器密閉に3ヶ月かかるそうだが、3ヶ月後も現在の累積値よりずっと大きくなることはないだろう。したがって、「現在の累積空間人工放射線量が、外部被曝線量限度に達している」場合に避難し、「現在の累積空間人工放射線量が、外部被曝線量限度の半分を超えている」場合は万が一再び水素爆発などが起こったとき避難するために準備すればよいだろう(以下、それぞれ避難・準備目安と呼ぶ)

ICRPの勧告によると(日本の法律も)、一般公衆が1年間にさらされてよい自然放射線/能の実効線量限度(外部被曝線量と内部被曝実効線量の和)は、1年間に1mSvだ。しかし、日本全体が準拠することは不可能だろうから、僕は家族に放射線作業従事者の限度にしたがって行動するように勧めた。妊娠中の成人女性と、妊娠可能な成人女性、それ以外の成人の3段階の限度が定められていて、それぞれ、妊娠から出産まで(以下、1年間とみなす)1mSv3ヶ月間に5mSv1年間に50mSvだ。健康への長期的(確率的)影響が証明されているのは、1年間に100mSvだそうなので、これを加えて4段階の限度を定義する。避難・準備目安と組み合わせて、「危険度」07までを表1のように定義した(危険度0は、最低限度の準備目安以下i.e.安全)


追記1: 図表を直し、リンクと太字を加えた。

追記2:危険度67の実効線量が等しかったので、089段階から、078段階に改め、表1と図3を訂正した。各都道県の危険度に誤りはなかった。

追記3: 「長期」から避難期間を推定したのは誤りだったので削除した。避難期間は、放射能が希釈したり、崩壊したりする時間と、「長期」のいずれか長い方で決まるはずだ。

追記4: 「避難の時間スケール」の2段落が長すぎたので、大部分を[補足1]として文末に移動し、見出しを「内部被曝の時間スケール」と改め、編集・加筆した。

追記5: 導入(東日本巨大地震から~)・まとめ(まとめると~)の段落を編集・加筆し、今後の課題(後知恵だが~)を追加した。

追記6: 8段階の危険度」の2段落が冗長だったので、[補足2]として文末に移動し、表1を補足した。

2011年4月2日土曜日

内部被曝量は外部被曝量の9倍(改訂版)

日本にいる家族が許容被曝線量を超えないかとっても気になる。はじめ、ウィキペディアを見て判断の目安を計算した。


親、嫁(仮定)、国外から来ている人に対してそれぞれ、今後1ヶ月間平均で通常の130, 14, 3.5倍の放射線量にさらされ、事故が収束していない場合に避難を勧めたい。


最近、被曝には外部被曝と内部被曝があることを学習した。それぞれ、体外・体内にある放射線源による被曝だ。通常、全被曝線量の約7割は内部被曝だそうだ。よく知らないが、空間放射線量はだいたい外部被曝線量に等しいのだろう。全被曝量の約3割しか把握していないことになる。3割であっても、3:7という比率が変化しなければ、(はじめからそこまで考えていたわけではないが)、上の目安が使える。


 福島第1原発事故による内部被曝線量と外部被曝線量の比率は、通常(7:3)と同じだろうか?


もちろん、核種や化学種などによって変化するだろうが、汚染源は福島第1原発、測定場所は関東地方と決めておけば、ほぼ一定だろう。内部被曝の経路は、吸引(呼吸)と摂取(飲食)に分けられる。ちなみに、外部被曝は大地とそれ以外(宇宙線や空気)に分けられる。「内部被曝」でぐぐって最初に出てくるT-norfさんのブログ(の改訂版)では、吸引経由の内部被曝線量と空間放射線量比率は1:1と見積もっていた。実測値と呼吸速度、ICRP72の換算線量係数から計算しているので、信頼できそうだ。そこで僕は、摂取経由の内部被曝線量と外部被曝線量の比率を見積もることで、内部被曝量と外部被曝量の比率を計算した。


 アメリカの環境保護庁が放射能リスク評価のためのソフトウエア(CAP88-PC Ver. 3.0)を無料配布している。放射性物質の拡散をシミュレーションするためのものだが、地域住民の被曝量とその内訳や健康被害も見積もってくれる。内部・外部被曝線量の内訳まで見積もってくれる。そこで、条件を少しずつ変えて40回くらい計算し、結果から、内部被曝線量と外部被曝線量の比率を経験的に見積もった。内部被曝量の見積もりに使っているモデルは、EPA99という式と、ICRP72という定数表だそうだ。もちろん、EPA99の式から解析的に求められるだろうが、長い式なので間違わずに計算する自信がない。条件は、文末に示した。なるべく福島第一原発を再現したつもりだ。ただし、福島から東京までは約200kmだそうだが、このソフトウエアで計算できるのは最大80kmだった。また、シミュレーション時間は5年間が最短だった。この間、汚染物質の放出が、一定速度で続くことを仮定している。似たような目的のソフトウエアを、日本(SPEEDI)ドイツ(RODOS)でも見つけたが、公開されていないようだ。


 食料源を全て輸入にすると、当然、吸入経路の内部被曝を見積もっていることになる。この時、内部被曝線量の外部被曝線量に対する割合は、3割程度であった。食料源を全て自家製にすると、摂取経由の内部被曝線量を考慮したことになる。この時、内部被曝線量の外部被曝線量に対する割合は8倍程度であった。風向き、放射能雲の高度、放射性核種の放出速度の絶対値、及び汚染源からの距離(数十kmの範囲)変えても、割合はあまり変わらなかった。


比較

 CAP88-PC吸引経由の内部被曝線量は、T-norfさんの値(改訂版)1/3位だ。後者は、実測値と単純なモデルを使っているので、より信頼できるだろう。「誤差」の理由はシミュレーション時間(5年間)が長すぎることではないか?T-norfさんの値を使っても、吸引経由の内部被曝線量の割合が通常の約6割に減少した。計算誤差かもしれないが、吸引経由の内部被曝線量の割合は、放射能汚染が進むに連れて減少する傾向が出た。この原因は、時間とともに、放射性物質が大地に積もり、大地由来の外部被曝線量が増加する為だと考えられる。通常、大地由来の外部被曝線量は、全外部被曝線量の半分程度らしい。本シミュレーションでは、99.9%であった。現実は、T-norfさんと僕の値の桁が一致していることから、99%位ではないか?


内部被曝線量と外部被曝線量の比率

 摂取経由の内部被曝線量の割合は、通常より増加した。具体的には、自給自足の生活の場合、摂取経由の内部被曝線量の割合は、通常の約5倍であった。自給しない場合は、もちろん、産地の外部被曝線量に対する割合を考える。輸入品の汚染は無視してよいだろう。更に、輸入飼料で育った家畜は汚染が少ないだろうから、熱量ベースの自給率を使って、摂取経由の内部被曝線量の割合は外部被曝線量の約3倍、通常の約4倍となった。他に誤差の要因になる可能性があることが2つ思いつく。第1に、前述のとおり、土壌汚染を過大評価しているらしいこと。これによって、線量が過小評価されることはないだろう。第2に、農業などのモデルが日本の現実からかけ離れているかもしれないこと。特に、食料は肉と野菜と牛乳だけで、魚が入っていない。報道によると、海中の放射性物質は生物濃縮速度よりもずっと速く拡散するそうなので、肉と同じモデルを使っても過小評価することはないかもしれない。蛇足だが、このソフトウエアには産地の分布を考慮するオプションも付いている。


 以上から、 福島第1原発事故による内部被曝線量と外部被曝線量の比率は、4:1となった。内部被曝線量の割合は、通常の1.2倍であった。これは、摂取経由の内部被曝線量の増加と、吸引経由の内部被曝線量の減少(通常の約6)がうまく相殺したからだ。これが本当なら、上の「つぶやき」は、ほぼ正しい。しかし、困ったことに、2項が相殺するので、2項が足し合わされる場合より、計算誤差が大きく反映される。各項に数倍の誤差が有り得るのだから、「1.2」はとても誤差が大きいだろう。そこで、各項の時間スケールを考えてみる。食料の放射能汚染には、単に放射性物質で汚れているレベルと「沈黙の春」のようなことが殺虫剤ではなくて放射性物質で起こるレベル(生物濃縮)があると聞く。きっと、後者の効果のほうがずっと大きいだろう。だとすれば、摂取経由の内部被曝の時間スケールは、食物連鎖上で放射性物質が伝搬する速度(以下、「長期」と呼ぶ)である。一方、吸引経由の内部被曝の時間スケールは、放射性物質の拡散速度(以下、「短期」と呼ぶ)だろう。きっと、長期の時間スケールの方が短期の時間スケールよりずっと長いに違いない。だとすれば、内部被曝線量の割合は、「短期」的に減少し、「長期」的に増大する。従って、「短期」的には、内部被曝線量の割合は通常の「1.2」倍と見積もって、過大評価になることはあっても過小評価になることはあるまい。(僕は何をしているのだろう…)


 まとめると、少なくとも「短期」的には、内部被曝線量と外部被爆線量の比率は、通常とほぼ同程度と見積もっても、上の「つぶやき」の値を、過小評価をすることはあっても、過大評価することはない。上の「つぶやき」では、はじめの1ヶ月間を考えている。したがって、1ヶ月間が「短期」とみなせるなら、上の「つぶやき」は、ほぼ正しい。1ヶ月間が「短期」とみなせないなら、上の「つぶやき」は、正しいとは限らない。が、その可能性は小さいだろう。


 あえて、上の「つぶやき」と同じ形式で数値訂正すると、


親、嫁(仮定)、国外から来ている人に対してそれぞれ、今後1ヶ月間平均で通常の100, 10, 4倍の放射線量にさらされ、事故が収束していない場合に避難を勧めたい。


となる。有効数字1桁。ついでに、通常の放射線量をウィキペディアに記載されている全世界平均から、日本における値に改めた。ただし、この目安は役に立たない場合がある。「短期」の時間スケールが、1ヶ月間よりずっと長い場合だ。たとえば、福島から東京まで拡散するのに数ヶ月かかるなら、はじめの1ヶ月間より、2ヶ月目、3ヶ月目の方が被曝量が増えるかもしれない。


シミュレーションの条件

汚染源からの距離: 80km

シミュレーション時間: 5年間(最短)

風向き: 様々(カスタムモードで付属ライブラリから選択)

年間降雨量: 111cm (小数点以下を代入するとFortranエラー)

年間平均気温: 13.1

混合境界層高度(?): 1000m

絶対湿度: 9.09 g/m3

汚染源: 堆積、高さ50m, 直径92m, 1

放射能雲: 固定、混合境界層高度以下

食料源: 全て輸入または全て自家製、肉・乳牛密度と作付面積割合はデフォルト(計算に使わないはず)

放射性核種: I-131 放出速度Cs-13710倍、サイズ1、タイプF、化学種 微粒子

        Xe-131m 放出速度 0、サイズ0、タイプG、化学種 不特定(自動)

        Cs-137 放出速度 I-1311/10倍、サイズ1、タイプF、化学種 不特定

        Ba-137m 放出速度 0、サイズ1、タイプM、化学種 不特定(自動)

        Tc-99m 放出速度 I-1311/100倍、サイズ1、タイプM、化学種 不特定

        Tc-99 放出速度 0、サイズ1、タイプM、化学種 不特定(自動)

        Te-129 放出速度 I-131100倍、サイズ1、タイプM、化学種 微粒子

        I-129 放出速度 0、サイズ1、タイプF、化学種 微粒子(自動)

        Te-129m 放出速度 I-131と同じ、サイズ1、タイプF、化学種 微粒子

        Te-129 放出速度 0、サイズ1、タイプM、化学種 微粒子(自動)

        I-129 放出速度 0、サイズ1、タイプF、化学種 微粒子(自動)

        Te-132 放出速度 I-1311/10倍、サイズ1、タイプM、化学種 微粒子

        I-132 放出速度 0、サイズ1、タイプF、化学種 微粒子(自動)

時間ステップ: 1


追記1: 訂正後の「嫁」の数値を10倍に再訂正した。再訂正前の8倍は、食料自給率を考慮しない場合の値だった。

追記2: 結論(まとめると、…)の表現が不正確だったので、改めた。

2010年10月11日月曜日

カーシェアリング

 はじめて、カーシェアリングサービスを利用した。「Zipcar」である。オンラインで予約し、普通の駐車場の隅に停まっている車をICカードで解錠して勝手に使う。この田舎町でも、3カ所に停まって、そのうち1ヶ所は、僕のアパートの隣にある。1時間8ドルで、保険・ガソリン代込だ。日曜日の昼に、当日午後4時の予約が取れた。しかし、前の人の返却が遅れ、出発したのは4時20分だった。返却したのは5時15分だった。遅延ペナルティとして、50ドル課金されたが、1時間以下しか使っていないとクレームを付けたところ、返金してくれた。今回だけだそうだ。日曜日に1時間使いたければ、1時間半予約しなくてはならないようだ。

 自分の車は3日前にエンジンかからなくなくなった。AAAを呼んでジャンプスタートしてもらったがだめだったので、最寄の修理工場まで牽引してもらった。配線の不具合で、費用はそれほどかからなかった。こうしたことも含めて、僕はこの車に年間1500ドル位使っている。Zipcarとレンタカーで代用したとすると、同額くらいだろう。僕はZipcarがやって来る前に買ってしまったが、今は車がなくても損をしない。

2010年4月23日金曜日

日本からアメリカに安く引っ越す方法

 引越しについて書いておく。僕が京都からシャンペーンにやってきたのは、2008年の11月だからいまさらだが、書くと宣言してしまった。総説的なブログがあるので、体系的に書く努力は放棄する。10年近い京都生活で溜め込んだものを、大抵は捨て、一部は実家に預け、持ってきたのは約300キログラムだった。ダンボール10箱に梱包し、郵便局から船便で発送した。

 郵便を使ったのは、探した限り最も安かったからである。10個以上まとめて送ると1割引になる。さらに切手で支払うことができるので、オークションで購入すればさらに5%割引くらいになる。安いだけでなく、国際郵便は船便でも集荷してくれるので、いうなればドア・ツー・ドアのサービスである。僕はかけなかったが、保険をかけることもできる(但し、郵便局へ持っていかなくてはならない)。反面、宛先住所が決まらないと送れない。僕は、大学寮とネットで契約した。出発前に部屋番号を教えてもらうために、管理事務所と何回かメールをやり取りした。結果的に、今でもその寮に住んでいるが、たまたま研究室のとても近くにあったからだ。家賃がここより月数万円安く、広さが同じくらいのアパートは沢山ある。一般には、住所を決めるために住居の選択肢を狭めてしまうのは割りに合わないだろう。

 2ヶ月程度で、不在連絡票を受け取った。宅配ボックスはあるが、もちろん大き過ぎて入らない。10日以内(実際は2週間位)2回まで再配達してくれる。土曜日も配達してくれる。時間は指定出来ない。しかし、月曜日に土曜日の再配達を申し込んでも、実行されなかった。前日に電話しろと言う。ネット申し込みも試してみたが、指定日前に2回再配達が行われ、郵便局まで受け取りに行く羽目になった。希望日に再配達を受けるためには、不在連絡票を受け取ったらまず翌日に電話して再配達を止めてもらい、次に再配達して欲しい日の前日に再び電話して申込む、という2段攻撃が必要だと思う。

 荷物は、10個中9個のダンボール箱が破れて中身が見える状態だった。1つは、別の箱に移されて届いた。内容物のいくつかが紛失し、知らない本が数冊入っていた。内容物のリストを作らなかったので、正確には分からない。ちなみに梱包は、段ボール箱にゴミ袋を開いたビニールシートを引き、上下の口と2辺を布テープで固定してあった。損傷なく届くためには、Gショック並の強度を持った梱包が必要だと思う。段ボール箱を2重にするとか、梱包テープでミイラのようにぐるぐる巻きにするとか。

 もう一度やるなら、郵便は使わず、民間のドア・ツー・ポートのサービスを使うだろう。値段は、僕の知る限り郵便局の船便と同程度である。最寄の税関留め(この辺りはシカゴ)なので、出発前に住所を確定する必要がない。おそらくパレットに積んだ状態で運んでくれるので、郵便ほど梱包を厳重にする必要も無いだろう。今回使わなかったのは、通関手続きと、自宅までの輸送に手間とお金がかかり過ぎると思ったからだ。9年程前にイギリスからの荷物を大阪港で受け取った時は、手続きは自分でやり、輸送は赤帽を利用した。今回はまず、大阪ではなくシカゴなので、手続きを一人で出来るか不安だった。しかし、郵便で送っても受け取りに充分苦戦した。どうせずぶ濡れになるなら、雨に打たれても滝に打たれても余り変わらないだろう。次に、ネットで調べた限り、シカゴからここまで段ボール箱10個運んでもらうとかなり高くつく。しかし、荷物が届いた時点で、僕はすでにイリノイ州の免許を取得し、車を買っていた。もう少し成行きに任せた方が上手く行っただろう。

2009年9月27日日曜日

英単語20,000

 先日、アルゴン国立研究所で開かれたポスドクシンポジウムへの道中、中国人大学院生からアメリカの大学院入試の話を聞いた。中国から直接アメリカの大学院へ入ってくる人たちは、GRE(大学院のセンター試験に相当する)国語(英語)でも良い点を取るらしい。話を聞いてみると、中国にはGRE受験のための予備校があるそうだ。そこでは、英単語を2万語暗記させるという。きちんと暗記するのは5千語で、後の1万5千語は属性(動物、乗り物、食べ物など)を暗記すればよいのだそうだが、これは圧倒的な差である。もちろん他にも論述など様々な練習があるだろうが、かねてから、ボキャブラリーが不足を痛感していたので、印象に残った。

 僕も修士1回生の時、アメリカの大学院に入り直そうとして、TOEFLとGREを受験した記憶がある。国語は、激しくできなかった。僕の努力が足りなかったかもしれないが、アメリカ大学院留学のサイトを見ても、国語はまともな点数が取れないと書いてある。しかし僕が働いている研究室の外国人大学院生は、すべて中国人である。少なくとも彼らの入学当初英語レベルくらいはないと、アメリカではポスドクとしてすら生き残るのは難しそうだ。(他にも不足なものがたくさんあるかもしれないが。)

 僕は(ここに来る前iBT100点ぐらい)、NHKラジオの実践ビジネス英語をインターネットで聞き、英語の本を読むようにしている。しかし、研究室のネイティブ同士の会話には知らない単語が良く出てくるし、岩波新書レベルの本でも単語の意味を文脈から推測するために読むのが激しく遅く、知らない単語が多すぎて意味が取れないこともある。そこで、本当に2万語を目標にボキャブラリービルディングをしたい。インターネットで調べた限り、アメリカ人が使うGRE用単語帳は合わせて5千語くらいである。一方、ネットで公開されている日本人向け単語帳(JACET 8000SVL12000など)は重複を除くと1万6千語くらいだ。これとGREの間にSATの単語帳、5千語があるとおもわれる。この3つから重複を除くと2万語くらいか?(彼らは新たに2万語覚えるのかもしれないが。)

 実際の学習は、紙の上ではなく、パソコン上で行いたい。世の中には、正答率と忘却曲線にもとづいて単語帳を管理してくれるソフトウエアや、単語帳から三択問題や書き取り、ディクテーションを出題してくれるソフトウエアがたくさんある。しかし、正答率と忘却曲線にもとづいて単語帳から三択や書き取り、ディクテーションを出題してくれるソフトウエアは、僕の知る限りP-Studyだけである。任意のテキストファイルやウェッブページから自動的に単語帳を作ることができるし、任意のPDIC辞書を使って各々の単語に自動的に意味をつけることができる。

見たことや聞いたこと、体験したことを喜々として、語るのは、恥ずかしくなってきた。京都にいたころと同じような生活になったので、平常心を取り戻したからだろう。喜々としてでなくても、自分の行動や思考の「成果」を文章化して蓄積し、公開してフィードバックを受けることで、行動や思考をより建設的、生産的なものにすることができる。研究と同じである。

2009年9月6日日曜日

ロバート・アラートン公園


 ストレスが溜まっていたので、ロバート・アラートン公園に行ってきた。新学期が始まって、人口密度が急上昇したためだろうか。学生時代は、ストレスがたまると北山や比良山系をハイキングしていたのだが、この辺りは山がない。しかし、車で半日で行けるところに、キャンパスより大きな公園がいくつかあるので、代替品にしようと考えた。ロバート・アラートン公園は大学の持ち物だ。日本語でググると、映画ジュラシックパークのロケ(ハワイ・カウアイ島)がヒットするが、同一人物だそうだ。シカゴの銀行家・実業家で、ユニオン・ストック・ヤードの創立者の息子らしい。

 朝9時、スーパー(County Market)でサンドイッチを買ってから、72号線で30分程度。時速110キロで走るのもストレス解消になる。ビジターセンターで地図をもらってから、庭園を端まで歩く。Sunken Gardenで結婚式をやっていたので、芝生を回って遊歩道に入る。1周1~4キロの遊歩道が5本整備されていて、要所要所に色分けされた標識が立っている。僕は、黄色、茶色、紫をつないで、8キロぐらいの周回路を歩いた。映画スタンドバイミーに出てくるような、森(というか林)である。京都の山と同じ匂いがする。Sagamon川沿いを端まで歩き、回り道をしてからSun Singerという銅像の前に出ると、正午だった。ロバート・アラートンがカールミルス(Carl Milles)という芸術家に、スウェーデン・ストックホルムにある銅像のミニチュアを注文したところ、巨大な新作が届いたらしい(笑)。直径100メートルくらいの円形の広場には、僕一人だった。台座に座ってサンドイッチを食べる。途中で、正面から車とバギーがやってきて少しがっかりする。芝生に寝転んでみたが、小雨が降ってきたので、森の中に逃げ込む。遊歩道をひたすら歩く、ヒルがいそうな沼があったり、The Death of the Last Centaurという銅像があったり。午前中に周った庭園に出る。結婚式をやっていたカップルがまだ写真を撮っている。部屋に着いたのは、午後2時だった。

2009年5月2日土曜日

ラムディスク

 YF氏が新しいノートパソコンを買うというので、知ったかぶりしていて、昔メモリーの有効利用法を調べたことを思い出した。ノートパソコンは、普通、4GBまでメモリーを積むことが出来る。しかし、32bitのWindowsが利用出来るのは、約3GBである。残りの約1GB(OS管理外領域)は、無駄になる。そこで、この約1GBを仮想的なディスク(ラムディスク)として利用するフリーソフト(Gavotte Ramdisk)をインストールして見た。

 僕のノートパソコン(レノボThinkPad X61, 32bit Windows XP)には以下の方法でインストール出来た。

zip書庫をプログラムファイルを置くのに適当な場所に展開する。
②展開されたフォルダ内のram4g.regというファイルをダブルクリックする。(レジストリに情報が追加される。)
③ramdisk.exeを起動し、デフォルトの設定のまま、"Install Ramdisk"ボタンを押す。(ディスクサイズが16MBに設定されているが、実際にはOS管理外領域に収まる最大のサイズで作成される。)

 Rドライブとして959MBのラムディスク(正確には、"fixed media")が作成されていた。タスクマネージャーの利用可能な物理メモリは、ラムディスク作製の前後でほとんど変わらなかった。一度作成すると、再びramdisk.exeを立ち上げて"Remove Ramdisk"しない限り、Windowsを起動するごとに自動的に作成される。

 折角ラムディスクを作ったので、キャッシュを置いてみた。VistaにはReady BoostというUSBメモリなどをキャッシュとして利用するソフトが付いているが、XPには付いていない。そこでeBoostr 3(Laptop Edition)というソフトを購入した。ラムディスクと、手持ちの4GB microSDHC(+アダプタ)にキャッシュを構築しところ、ベンチマークソフト(HDBench)でハードディスクのアクセス速度が、読み込み20%、書き込み35%、コピー100%向上した。ちなみにeBoostrについているスピード測定を使うともっとずっと良い数字が出る。また、ハードディスクは5400rpm。

 ハードディスクは大して速くならなかったが、優先アプリケーションにOneNoteを登録すると、2回目から数秒で起動するようになった。また、パワーセーブモードを有効にすると、電源をつないでいるとき通常通りハードディスクとキャッシュ両方にアクセスするが、電源を抜くと自動的にハードディスクにアクセスしなくなる。(キャッシュの再構築もしなくなるらしい。)その結果、バッテリーの持ちが目に見えてよくなった。Windowsのスタンバイ、回復を繰り返しても、eBoostrは正常に動き続けた。但し、再起動すると、ラムディスクが登録デバイスのリストから消えてしまう。

2009年4月7日火曜日

授業

 授業に35分遅刻する。僕が聴講している唯一の授業である。大学院生向けのグラント申請の書き方を教える50分週2回の講義(正規の受講者は他にチュートリアルもあるようだ)で、ポスドクや助教、外部の研究者も出席している。学術研究の方法や倫理を扱うのではなく、現実の世界で政府系機関から資金を調達するにはどうすればよいかを赤裸々に語ってくれる。たとえば、某機関では審査員は数十名いるがその内2人しか申請書を最後まで読まない。残りの審査員は1ページの要約だけを読んで投票数するので、そこに入魂しろだとか。某機関へ申請する研究テーマは、企業向け補助金の募集テーマ一覧中から選べだとか。審査員リストに載っている研究者とその友人の論文を参考文献に入れろだとか。裏事情が公開(形式知化)されているのだ。日本では、こうした裏事情は師匠から弟子にじわじわと伝わっていく(暗黙知化されている)場合が多いのではないか?そういう意味で、僕にとっては目から鱗である。

 この授業以外にも(この授業で知ったことだが)グラントデータベースを開発して(学内向けに公開して)いたり、グラント専門の事務員がいて申請書の添削をしてくれたりと、大学全体が研究資金獲得のために万全の態勢を整えていることが分かった。この授業を聴講出来ただけでも、アメリカに来たかいがあったと思っている。(今日は15分しか聞けなかったが。)僕は読んでいないが次の本が教科書となっている。

2009年4月5日日曜日

中古パトカー故障

 1月に購入した中古パトカーは、受け取った翌日氷点下10度くらいの中でエンジンをかけようとしてバッテーリが上がり、交換したあとは、2ヶ月半の間快調だった。しかし、先週末リコールでディーラーに行った際、駐車場の入口でエンジンが止まってしまった。オルタネーターの故障だという。オルタネーターとは、発電機で、車の全ての電力を供給し、バッテリーを充電しているらしい(KB氏によると、車が動かなくなったとき誰もがきっと口にするが、誰も意味を知らず、修理代が高いものだそうだ)。しかし整備記録によると、昨年12月に交換されたばかりである。しかも、2006年に初めて故障してから毎年交換されている。特に昨年は、交換してもチャージランプが消えなかったそうだ(だから無視して乗っていた)。何か根本的な原因があるはずだ。今後数か月の周期でアルタネーターを交換し続けるのはいやなので、その原因となっている不具合を修理してしまいたい。Googleってみると、オルタネーターの故障の3大原因は、③ダイオード死亡
だそうだ。①のブラシは徐々にすり減っていくもので、10万キロくらいが交換の目安らしいので、違うだろう。②のベアリングは、エンジンルームから高音のぎゃーんとかガァーいうような連続音が聞こえるなどの予兆があるらしいが、少なくとも気付かなかった。③のダイオードとは、整流器のことで、発電された交流電流を直流電流に変換して、車が使えるようにする。当たり前かもしれないが、定格以上の電流が流れると壊れるそうだ。チャージランプがついていたことと考え合わせると、

 漏電しているために、充電電圧が下がってチャージランプが点灯し、ダイオードに過剰な電流が流れてやがて壊れる。

と説明できるのではないか?実際、この車種の配線の問題を指摘している人がいるので、詳しく検査して貰おうと思う。

2009年1月15日木曜日

 7時に目が覚める。昨日、実験で遅くなり、なおかつPCが自動更新・再起動されてしまってアラームが鳴らなかったのが敗因だ。

 このところ、樹脂表面に厚さ数ミクロンの金属膜を形成しようとしている。ボスから、スパッタ法とメッキを当たって見るように言われ、それぞれの技術の専門家を紹介された。スパッタ法でこれだけの厚さの膜を作ると樹脂が焼けてしまうことが分かった。メッキは、あらかじめもっと薄い金属膜を樹脂表面に形成し、その上に電解メッキする方法を専門家から提案して頂いた。そこでまず、手持ちの真空蒸着装置を用いて、樹脂表面に厚さ数百ナノメートルの金属膜を形成し、その上に(諸事情により)無電解メッキを試みた。この実験自体はあまりうまくいかなった。しかし、金属の種類や厚さを変えて真空蒸着を繰り返すうちに、がんばれば真空蒸着だけで厚さ数ミクロンの金属薄膜が形成可能に思われたので、昨日やってみて成功した。但し、高温で長時間運転したために、真空容器の気密シールを損傷してしまった。

 午前中は、明日から始まるプロジェクトの打ち合わせと、現在担当しているプロジェクトのメンバーとの役割分担変更の相談。

 昼休み、車を受け取りに行った。イーベイで落札したシャンペーン市のパトカーだ。フォード・クラウンビクトリアの警察仕様で、アメリカのパトカーの過半数を占める車種だそうだ。パトカーとしての役目を終えると、タクシーとしてリサイクルされるシステムが確立しているらしい。同僚に話したところ、日本車を勧められた。燃費が良くて、故障が少ないからだという。確かに、燃費はトヨタセリカの1.5倍くらいだそうだ。しかし、消費者ガイドによると該当製造年のフォード・クラウンビクトリア(但し、警察しようではない)は比較的故障が少ないこと、ガソリン価格が日本の1/3位であること、衝突試験結果が優秀であること、古き良きアメ車であること、半年ごとに点検修理されてきたこと、途方もなく安いこと、走行距離が9万マイルであることから購入に踏み切った。日本で、走行距離15万キロと言うと廃車にするしかないのかもしれないが、ここではまだまだ現役である。

 バスを乗り継いで市役所に行って、小切手を渡すと、サーティファイド・チェックでなくてはだめだと言われた。金曜日に再度予約を取って帰りかけたが、帰り道に銀行を見つけたので、サーティファイド・チェックを作り、無事支払うことが出来た。帰り道を教えて貰ってから、車を受け取る。学生2人から車をイーベイで買うのはやめろ、試乗してから買えと言われていたが、この車に限ってはお役所が売っているのであえて落札した。元パトカーと言っても、サイレンやパイプバンパー、無線などは外されていて、塗装も白に戻してある。ホイールが一つ錆びている以外は、外見上の欠陥は見当たらなかった。内装はきれいだ。エンジンはスムーズにかかる。バッテリーとエンジンオイルの残量が少ない。

 生まれて初めての運転だが、辺りは雪が積もっている。まとまった雪が降ったのは、ここに来てからまだ2回目だが、凍結路面は1週間に1回位の頻度で経験している。しかし、タイヤチェーンを付けている車を未だかつて見かけたことがない。タクシーの運転手からオート店スタッフ、ボスに至るまで口をそろえて違法だという。ところが、州法ではタイヤチェーンの規制はないようだ(スタッドレスタイヤは禁止。)。駐車場から出る。教習で習った通りに、車体の半分くらい後進してからハンドルを切ると、後輪が空回りしてしまう。幸い後ろの車まで距離があったので、まっすぐ後退して駐車スペースから出てからおもむろにハンドルを切る。教えてもらった通り、住宅地を通り抜ける。2車線、一方通行が十字路の先で突然両方通行になっていて焦る。曲がるべき道を通り越してしまったので、キャンパス内を迂回する。坂道でスリップし冷や汗をかく。15分後、アパートの駐車場に到着。雪が積もっていて区画線が見えない。

 午後は、メールを書いたり、金属薄膜を研磨したり。真空蒸留装置の真空漏れに気づいた。午後8時ごろ帰宅。

2009年1月5日月曜日

再配達

部屋で勉強する。

再配達を頼んでおいた、郵便物が来なかったので、郵便局に電話で苦情を言う。月曜日までに受け取らないと送り主に返送されてしまうらしい。


仕事始め

朝9時学校へ。あまり人が歩いていない。研究室に誰も来ていなかった。結局、ボスも含めて3人しか来なかった。予定していた実験は、KBが来ないとできないので、ひたすらメッキ関連の資料集めをする。

夜7時頃、学校を出て、スーパーへ買い出しに行った。

2009年1月2日金曜日

元旦

 早朝、チャットでAY氏に捕まる。データの統計解析法で悩んでいらっしゃるそうで、僕が知っている限りのコメントをする。専門分野からほど遠い内容だったが、人の研究の役に立てるのが嬉しい。

 午前中は、勉強したり、書類整理したり。4日間教習しながら教官と話していたせいか、英語能力が向上している。

 午後、登校。明日のために、実験装置の真空試験をする。

大晦日

  朝7時、ホステルを出発。地下鉄を乗り継いでユニオンステーションへ。チケットを回収し、搭乗口を探し出す。降りる駅ごとに、車両が決まっているらしく、周りは学生ばかりだ。イリノイターミナルからバスで帰宅。

 部品が届いたので、デスクトップパソコンを組み立てる。マザーボード、CPU、ハードディスクのみ日本から持ってきて、ケースと電源は大学のゴミ捨て場からもらい、モニターやマウス、キーボード、スピーカー、ケーブル類をインターネットで購入した。テレビチューナーボードも買ったので、ケーブルテレビが見られるようになる。

 夜は実家にテレビ電話して、新年の挨拶をする。

2008年12月27日土曜日

DMV筆記試験

 朝8時、運転免許試験施設へ行く。本当は、連休初日に受けたかったが、イブとクリスマスは休みであった。試験勉強は、シャンペーン市立図書館で借りたDVDを2本見ただけである。キャンパスからバスで20分ほど、僕以外にも4, 5人受験生が来ている。筆記試験を受けたい旨を告げると、パスポート、ソーシャルセキュリティーカード(月曜日に届いた)、住所が印刷された郵便物の提示を求められ、視力検査される。視力検査といっても、一定の大きさの数字が読めればパスである。20ドル払ったあと、復習のため、教科書を借りてパラパラめくってから、いざ試験。10台くらい並んだタッチパネル式コンピューターの内1台の前に座らせられる。生年月日で本人確認してから、4択問題、正誤問題を解いていく。33問出題され、28問正解した時点で終了する。ほとんどの問題は、迷わずに答えられる程度の難易度だ。答えたくない問題は、飛ばすことができ、最後まで回答した時点で正解数が28に達していなければ、同じ問題が再出題される。僕は、迷った問題はすべて飛ばしたので、正答率100%で合格することが出来た。筆記試験に合格すると、日本の仮免許と同じように、免許を持っている成人同伴で運転の練習をするための許可書がその場で交付される。次に、実技試験を受けて合格すれば、免許が交付される。実技試験は同日に受けることも可能らしい。

 23日にボスがまだ居たメンバーに昼御飯をおごってくれた際、アメリカの免許制度は若いころから日常的に運転し続けることを前提にしていること、運転技術の未熟な外国人は白眼視されることを教えてもらった(吹き込まれた)。ボスは、自分が貸す車で練習し、免許を取って、車を買ってから訓練しろと言っていた。しかし、短期間で一定レベルの運転技術に到達するため、教習所に行くことにした。この辺りに教習所は2つしかなく、両方とも休みらしい。年が明けるまでに免許を取ってしまいたいので、シカゴの教習所に手当たりしだい電話をかけて見る。2か所開いているところが見つかり、1か所が明日からの教習を受け付けてくれることになった。僕が調べた限り、教習所には10代向けと大人向けの2コースがある。10代向けの方はよく知らないが、大人向けコースは12時間が標準で、事前仮免許を取得しなくてはならない。料金は、1時間50ドル位が相場のようだ。バスのチケットを買い、ホテルを3泊予約する。

 午後は、久しぶりに勉強し、夕方研究室へ。先輩ポスドクに、いろいろ教えてもらってから、体育館へ。

 

2008年12月16日火曜日

図書館

 実験試料を急きょ合成することになった。SciFinderで売っているところを見つけたのだが、納期1か月(これから合成する)であることが判明した。といっても、出発物質さえ買えばALと同じ反応経路で合成できるはずである。ちなみに、有機化学備品室にない試薬や実験器具の購入は、学部単位で1元管理されている。我々は、専用ホームページにログインし、メーカーと商品名、グラント番号、カタログ価格、希望納期を入力するだけでよい。僕が行った日本の大学院では、学生・スタッフそれぞれが代理店へ直接注文し、品物と一緒に受け取った伝票(納品書、請求書、領収書)を秘書さんやグラントを管理しているスタッフに渡すというシステムだった。

 ALから次にやるべき実験について相談を受ける。午後も一緒にNMRを取りに行ったり、NMRの結果をもとに反応条件ついて話し合ったりして、丸一日付き合う。普通の定常IR吸収スペクトルを取ることになったので、装置や試料準備を教えて貰い、僕の実験試料も一緒に測ってもらう。ALの試料液体なのだが、どうしても弱いピークを検出する必要があったので、他研究室からスペーサーを調達する。

 6時から図書館ワークショップへ参加する。僕が借りたアパートは、正確には大学院生とスタッフのゲストハウスで、遠足やパーティーを頻繁に主宰している。参加人数が少ないのでキャンセルするかも知れないという事前連絡があったが、はたして参加者は僕一人であった。司書のオネーさんをはさんで、アパートスタッフで大学院生のオネーさんと僕が座り、彼女の出前講義を聞いた。この大学は、全米で2番目に大きな大学図書館を持っているそうだ。但し、1個の巨大な図書館があるのではなく、日本の大学でもそうだが、学部や学科ごとの図書館や遠隔地の書庫に分散している。その代わり、オンラインサービスが充実していて、全ての蔵書を一括検索できるだけでなく、研究室まで無料で配達して貰うことができる。

2008年12月13日土曜日

クリスマスパーティー

 自転車のタイヤがパンクしたので、歩いて学校へ。前日紹介された企業へ電話する。メールを出しておいたのだが、技術的相談は電話のみらしい。目的にかなう商品があるそうなので、早速データシートを送ってもらう。ところが、数時間後に今度はメールで該当商品無しとの回答を受け取る。電気室のスタッフが、冷却機を見に来てくれる。単に電源コードがないだけなのだが、メーカーから取り寄せるといって帰ってゆく。ところが、こちらも数時間後に最小取引額100ドルとの回答が来る。電源コード1本に100ドルはばかげている。ALに分光実験の手順を教えてもらう。非線形光学効果を利用して特定の環境にある分子の定常スペクトルを選択的に観測する分光法だ。最新のフェムト秒パルスレーザーを使っているし、セットアップが高度な技術や知識がなくても使えるように半製品化されている。それに設計も巧妙である。最も古株のポスドクが作ったのだそうだ。実験室に見学者が訪れる。なんと日本人だった。

 昼休み、パンクした自転車を修理に持って行く。自転車屋の隣の中華屋が超大盛りで安い。

 午後、ALについてNMR測定に行く。僕が大学院生のときは、合成の度に技官に測ってもらっていたが、ここでは全員自分で測定している。初心者向けのチュートリアルがeラーニングと実習として制度化されている。ただしeラーニングは、NMR室内の専用PCを使う。16時より、某著名研究者の講演を聞きに行く。基礎研究の話ではなく、時間分解分光の技術を同位体比分析へ応用する話。この研究をもとに大学院生が起業したらしい。18時からは学部のクリスマスパーティー。参加者は100名程度で、ほとんどが大学院生だが、スタッフや教授クラスもちらほら見える。頑張って、日本人を一人見つける。大学院2年生で滞米6年目のNO君だ。最後の4人になるまで話し込む。残りの2人は、ALと同じ研究室のポスドクだった。

2008年12月11日木曜日

研究室めぐり

 学校前、NHKラジオの「実践ビジネス英語」をインターネットで聞いてみる。数か月ぶりなので、能力が悲しいぐらい下がっていることを実感する。オンラインで買ったテキストがなぜか印刷できない。

 朝9時から1年生のYHと共にALの初カラムクロマトグラフィーを手伝う。ただし、2人とも10時から用事があって立ち去る。爆薬の研究の試料作りのために、他研究室へ相談に行ったところ、別の研究室を紹介される。その研究室へ行ったところ、企業を紹介される。自分の研究室に戻ると、試薬が来ていた。

 午後、急きょALの助けを借りて超高速分光実験用試料を調整する。あいにく電子上皿天秤が壊れたので、直示天秤を使う。高校以来である。壊れた電子上皿天秤を電気室へ持って行き、機械室で冷却機用の部品を加工してもらう。

 6時に学校を出て、体育館に行く。アパートから徒歩圏内に別館があることを知る。

2008年12月10日水曜日

Asian American Culture Center

 朝一でボスに金曜日のお礼を言い、日本からのお土産を渡す。早々に辞退し、ウェットルームの備品調達のため備品室へ。前回分液ロートを無駄に買ってしまったので、おそるおそる返品出来るか聞いてみると簡単に応じてくれた。ガラス器具からSwagelokまでそろっている。但し、駒込ピペットは見当たらない。実験器具以外に試薬も数百種類在庫がある。ウェットルームに戻ると、合成担当の大学院生ALが来ている。前回の精製で不純物が混入したことを説明すると、自分で再精製するという。溶出液を変えたいというので、TLCで選定してもらう。

 昼休み、郵便局から日本宛てのEMIを出し、学生会館の地下で昼食を取る。

 午後、ロータリーエバポレーターをアスピレーターで減圧し、水道水で冷却していたので、ダイアフラムポンプを注文し、古い冷却機を拾ってくる。冷却機は電源コードがなく、冷媒の接続口がSwagelokだったので、再び備品室と電気室へ。コードの方は、担当者が出張してくれることになる。居室に戻ると、大学院1年の中国人留学生YHが暇そうだった。カラムクロマトグラフィーの経験があるということだったので、ALの実験を見に来てもらうことにする。ALがやる気になる。デスクに戻って、翌日の爆薬研究の打ち合わせの準備をし、帰る。

 体育館へ行き、10分で筋トレを終わらせる。Asian American Culture Center主催のアメリカ文化へなじむためのワークショップへ出席。参加者は20人程度で、ほとんどアジア系1世、2世。それと、英語教師1人。滞米1年以上の人がほとんどで、1か月以下は僕だけだった。異国生活には、3つの段階(ハネムーン、カルチャーショック、受容)があること、それぞれの段階を乗り越えるにはどうしたら良いかなどが話題になった。ディスカッション形式だが、あまり盛り上がらなかった。

 部屋で遅い夕食を取る。

2008年12月8日月曜日

日曜日

 前日買い損なったものをAmazon.comで注文する。机やイス、ディスプレイ、炊飯器、コーヒーメーカーといったある程度のサイズのものは、値段がウォルマートと大差なく、しかも送料無料のものがある。

 午後、サンドイッチを持って大学へ行く。誰もいない。僕は自分の居室の鍵を持っていない(笑)ので、他人の部屋に入り込み昼食を取る。金曜日にやったフラッシュ・カラムクロマトグラフィーでは、不純物が混入したことが分かる。汚染源は、試験管か洗浄瓶の可能性が高い。ウエットルームに購入が必要な備品のリストアップし、ウェッブページとカタログで商品を選定する。この研究室の試薬は、Fisher ScienceとSigma-Aldrich, Acros Organicsの3社のものがほとんどだ。

 夕方、同室の大学院生が2‐3人来る。実家からSkypeへ留守電が入っていたので、掛けてみる。

 ちなみにSkypeの月間契約「世界中どこでもプラン」にはいると、30カ国ぐらいの固定電話と5カ国ぐらいの携帯電話へかけ放題になるだけでなく、5カ国ぐらいから3つの電話番号(オンライン番号)を取得することが出来る。日本の場合、フュージョン・コミュニケーションズが提供する050から始まる番号を取得でき、国内の固定電話から3分11円位でつながる。オンライン番号への電話は、Skypeで受信できるほか、最大3つの固定・携帯電話へ同時転送できるので、日本のオンライン番号へかかってきた電話をアメリカの固定電話や携帯で受けることもできる。転送料は無料で、アメリカの場合固定・携帯電話への通話料もともに無料である。さらに、電話から自分のSkype経由で電話をかけるための電話番号(Skype to Go)も取得できるので、携帯電話の特定電話番号かけ放題サービスと組み合わせると、日本の固定電話へかけ放題の携帯電話が出来るはずなのだが、まだ試みていない。

 電話は、母からであった。京都にいるときは、電話が掛かってきたことなどなかったが、これからは頻繁に掛けるなどと言っている。確かに、通話料やつながりやすさの点で京都にいる時よりもかけやすいだろう。京都にいる時もYahoo!BBのIP番号を教えてあったが、昼間自室にいることはまれだった。

 大学院生が、水曜日に化学教室の飲み会があることを教えてくれる。雑貨屋さんによって帰宅。